こんにちは。ニワクマです。
毎日20度を超える暖かい季節になり、様々な虫たちが飛び交う季節になってきました。庭木の剪定をしていても、枝を這う毛虫を見つけたり、スズメバチが近くを飛び回る度に首をすくめたり、黒い虫がしつこく目の中に入ろうとしてきて鬱陶しくなることが多くなりました。
そのような季節において、松のあるお庭における最大の敵はマツノマダラカミキリです。彼らは松を枯らしてしまうマツノザイセンチュウを媒介する虫、いわゆる総称”マツクイムシ”です。飯田下伊那では、来月から8月までが発生時期になります。
一般的なマツノマダラカミキリの防除には2つの方法があると思います。
一つ目は薬剤散布による防除です。私の経験ではスミパインを発生時期に散布していました。
二つ目は薬剤の樹幹注入です。幹にドリルで穴をあけ、薬液を流し込みます。
樹幹注入は一回で5~7年間持続して効果が発揮されます。そのため、費用対効果が高く、とても魅力的な手法です。
しかし私は警鐘を鳴らしたいと思います。
たまに、この写真のような状況になっている松に出会います。
これはあけた穴に薬液を入れる際、もしくは抜く際に形成層に薬液がかかったため、形成層が枯れた現象です。形成層は幹を縦に走っているため、縦に一本線で枯れます。こういった枯れ部分から腐朽が入ることもあります。
樹幹注入は費用対効果が高く、大変魅力的です。しかし、何のために樹幹注入をするのか、松の健康のためであれば、私はやめたほうが良いと思っています。